車のメンテナンスで気になるのが、バッテリーの寿命と交換時期ですね。大事に乗っていてもバッテリーには寿命があります。長年乗車しているお車ならバッテリー交換が必要になってきます。バッテリー寿命・バッテリー交換の目安をバッテリー点検サービスの案内とあわせてご紹介いたします。
この記事で分かること
バッテリー種類と劣化原因について
車の仕様によるバッテリーの違い
車の仕様によって搭載されているバッテリーが変わってきます。 バッテリーの取り扱いや交換時期が異なるので、お車のマニュアルをご確認いただくか、整備工場にお寄りの際にお声かけください。
一般的なガソリン車
鉛蓄電地を採用しておりバッテリーの電圧は旧車以外は12ボルトが基本です。24ボルト搭載車は12ボルトを直列に2個をつなぎます。バッテリー上がりの救助車も同じ電圧の車同士でないと故障の原因になります。
ハイブリット車
メインバッテリーと補助バッテリーの2つのバッテリーを搭載しています。
- メインバッテリー
車を動かす駆動用の電気モーターの動力で高電圧で大容量なバッテリーです。大容量なバッテリーを軽量化するために、リチウムイオン電池やニッケル水素電池が採用されています。 - 補助バッテリー
パワステやパワーウィンドウなどの電装品に電力を送るバッテリーです。 ガソリン車と同様の鉛蓄電地を採用していますが、仕様が異なるためバッテリー上がりの救助車としてご使用すると破損の危険があります。
アイドリングストップ搭載車
信号待ちなどでエンジンが自動で停止し、ブレーキペダルを離すとエンジンが再始動します。エンジンの停止・始動を繰り返すことから急速に充電するスピードと耐久性の高いバッテリーが 搭載されています。バッテリー交換の際にはご確認ください。
充電制御車
エンジンの負担を減らすためにバッテリーに一定量の充電が行われたら、充電をストップする制御システムを搭載しています。バッテリーに負荷があるので専用のバッテリーを使用しています。バッテリー交換の際にはご確認ください。
バッテリーの劣化、バッテリー上がりはなぜ起きるのか
サルフェーション
バッテリーの寿命の要因としてサルフェーションがあります。通常の車のバッテリーは鉛蓄電地です。「鉛と硫酸」の化学反応で発電します。充電を繰り返し行うと化学反応に失敗した希硫酸が電気を通さない鉛の結晶化して、バッテリー内部に白い結晶として付着する現象がサルフェーションです。結晶が貯まるとバッテリーは一定量の電圧を供給できなくなるので、バッテリー本体の交換が必要になります。
オルタネーター
オルタネーターはエンジンの回転を動力源として電装部品の電源を発電する発電機です。バッテリー上がりと思った時でもオルタネーターの故障の可能性もあります。バッテリーの警告灯(ランプ)の点灯は、車のエンジンがかかっている時に充電系統に不具合が発生したことをドライバーに知らせる役目をしています。点灯する原因はオルタネーターに異常が発生した場合がほとんどです。そのまま走行するとバッテリーの故障にもなりますので早めに点検・修理をご検討ください。
バッテリー交換の時期と判断の目安
バッテリーの交換時期
バッテリーの交換目安として使用年数があり、バッテリーのタイプによって異なります。車の使用頻度や乗り方によってもバッテリーの劣化具合が変わってくるので、お車のご利用方法と合わせてバッテリー点検とバッテリー交換をお勧めします。
交換時期
- 一般的なガソリン車
一般的なガソリン車は2~5年が目安です。範囲が広いのでバッテリーの状態や定期的にバッテリー点検をおこない交換時期を確認することが必要です。 - ハイブリッド車
メインバッテリーは8~10年で走行距離だと10万km程度、補助バッテリーはガソリン車と同じく3年~5年と言われています。補助バッテリーはガソリン車同様に使用頻度によって容量が少なくなるため、バッテ リーの状態や定期的にバッテリー点検をおこない交換時期を確認することが必要です。 - アイドリングストップ搭載車
アイドリングストップによってエンジン停止・始動を繰り返しバッテリーに負荷がかかるため劣化しやすいので2~3年が目安です。 - 充電制御車
バッテリーの充放電を大きく繰り返すため劣化しやすく2~3年が目安です。
使用年数が少ない場合
バッテリー点検した際に電圧が小さくなっていても使用年数が少なければ、「充電」で電圧が回復する可能性が高いです。使用年数が少ない場合にサルフェーションを起こしていても、内部で結晶の付着が少量と考えられますので、小まめに充電をしてあげる事で寿命が短くなりにくくできます。
バッテリー交換判断ポイント
症状
ライトの消し忘れなどの直接的な原因がない場合は、バッテリーは徐々に劣化して電圧が下がっていきます。電圧が低下するとヘッドライトや電装品の機能も低下する場合が多いので気になることがあれば、バッ テリー点検を行うことをお勧めします。
- ヘッドライトが暗い。
- パワーウィンドウの動きが遅い。
- アイドリングストップ機能搭載車は、アイドリングストップをしなくなった。
- エンジン始動時にセルモーターの回転音が弱くなってきたり、セルモーターの回転音が遅くなってきた。
使用頻度
クルマを「毎日使用する」のか「月に1回」くらいしか乗らないのか、また走行距離によってもバッテリーの状態は変わります。
- 車を毎日長時間走行している
自動車は発電機(オルタネーター)で走行中に充電されるので毎日走行する人は十分にバッテリーが充電されるはずです。
バッテリー点検で電圧が小さくなっている時は、サルフェーションが進んでいる可能性が高く、バッテリーに寿命が近い可能性が高いです。 - 使用頻度が少ない
車に乗る用事がなくても30分程度エンジンをかければ充電されるので、定期的にエンジンをかけることが大切です。
バッテリーチェックで電圧が小さくなっていても、バッテリーの使用年数が少ない場合はバッテリーを充電することで回復する場合があります。 - 夜間走行が多い / 電装品が多い / 短い走行を繰り返す
バッテリー負荷の高い車の使用方法です。夜間走行はライトなどの使用時間が増え、電装品が多い場合は充電量に対して使用量増えます。バッテリーはエンジンを始動する時に最も電力を消費します、1回の走行距離が短いショートトリップ走行はバッテリーに負荷がかかります。このような乗り方の車のバッテリーは交換時期が短くなる可能性があります。 - バッテリー上がりをしたことがある
バッテリー上がりを起こしてしまうとサルフェーションが一気に進行します。
新品のバッテリーでもバッテリー上がりを起こした場合、その後に充電を行っても、新品同様まで回復することは出来ません。バッテリー上がりをしたことがあるバッテリーは交換時期が短くなる可能性があります。
バッテリー点検無料サービスのご紹介
バッテリー点検
清野自動車工業では整備士がテスターを使って点検を行い結果をプリントアウトしてお渡しいたします。バッテリー点検は交換・修理がなければ無料で行います。またお客様のお車のご利用方法をお伺いしてバッテリー交換が必要でしたらご提案をいたします。
交換・修理を行う場合はお見積もりをさせていただいてから、ご要望に合わせて対応させていただきます。
バッテリー交換
バッテリー交換はご自分でもできますが、ハイブリッド車のバッテリー交換はプロに任せることをおすすめします。バッテリー交換時には電装品の設定がリセットしますので必要な機器は予めバックアップをしておきましょう。